不要建材のリサイクル後押し 三和建設とkodo.ccが取引サイト

2月4日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 三和建設(大阪市淀川区)とkodo.cc(コードー・ドット・シーシー、三重県四日市市)の建設会社2社は、まだ十分使えるのに引き取り手が見つからず、やむなく廃棄されている不要な建設資材の流通を後押しする。インターネット上で売買を仲介する業界初の専用マッチングサイト「材クル」(http://www.zai-kuru.jp)はトップページ=の共同運営に乗り出した。

 建設業界のリサイクル推進を最大の目的に掲げる登録無料の会員制サイト。当初1年間で約5000社の会員獲得を見込み、3年後をめどに常時10万点以上の売り出し、品目の確保とサイト運営に必要な月間300万円程度の手数料収入を目指す。

 現場で余ったり使わなくなった資材・道具を抱えた建設会社の出品参加を促す。ネットオークションと違って事前に希望の売値や引き取り期限などの細かな条件を決めてもらい、最低価格1円から出品できるのが特徴。出品物をどこで受け取ればいいか分かるように所在地も明示し、買い手側が負担する運搬コストに配慮した。

 購入したい会員がサイト経由で申し込めば取引が成立し、売り手側は1品につき最低300円、1万円以上する品の場合は売価の3%を「材クル」に支払う仕組み。会員は建設会社に限らず間口を広げ、例えば在庫処分に活用したい卸問屋や日曜大工にリサイクル材を格安で手に入れたい個人なども登録できる。

 ただし、マッチング成立後の商品送付や代金の支払い、回収に関するすべての責任は売り手と買い手それぞれが負い、「材クル」はあくまで取引の場を提供する。

 1棟ごとの仕様が異なるビルやマンションの施工現場では、あらかじめ規格の決まった部材を工場で量産するプレハブ式の住宅建築と違い、不要材の発生が避けられない点が業界共通の課題になっている。

 しかも、建材用にカットされた後の木の端材や石膏(せっこう)ボード、タイルをはじめ、工具類や足場に使った金属製の仮設材、現場に並べる円錐(えんすい)形の標識「カラーコーン」とそれぞれ少量ながらも多岐にわたる。条件の異なった別の現場ではそのまま使えないケースも多い。保管場所の確保もコストがかかるため、現状では廃棄処分を選択する方が安上がりだという。

 三和建設の森本尚孝社長は「これまで施工業者間で情報をやりとりできるインフラが全く整っておらず、実際は近くに不要材を使ってもらえる現場が多く存在することに気付いていなかった」と新サイトの役割に期待を寄せている。

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