銭湯を街から消さんといて 関西の銭湯ファンが4日、大阪市内でトークイベント

7月4日7時56分配信 産経新聞

 街から姿を消しつつある昔ながらの銭湯を守ろうと、関西の銭湯ファンが4日、大阪市内でトークイベント「ふろいこか~」を開催する。レトロな脱衣場や石造りの湯船などの魅力、お勧めの銭湯のほか銭湯の裏話を紹介する。主催者は「心も体も温まる銭湯は地域の宝。魅力を広めて、銭湯を守るきっかけにしたい」としている。(中井美樹)

 石造りの重厚な湯船やケヤキの脱衣箱、カラフルなモザイクのタイルなど建造物としての魅力が数百円で楽しめる。風呂の縁に腰掛けてあれこれ話したりあいさつしたりと、地域のコミュニケーションの場にも-。

 イベント仕掛け人の一人、神戸市の編集者、松本康治さん(46)は「日本の銭湯文化は世界に誇れる」と力を込める。

 だが、愛すべき銭湯がなくなっていくのを目の当たりにした。府公衆浴場業生活衛生同業組合によると組合員数は780軒。平成11年に約1200軒あったが10年間で400軒以上減った。特にここ1、2年は原油価格の急上昇を契機に廃業する銭湯が相次いでいる。

 「味わい深い銭湯が次々になくなっている。ファンを増やして守りたい」

 危機感を募らせた松本さんは今年5月、関西の銭湯を紹介するガイド本「関西のレトロ銭湯」(戎光祥出版)を出版。さらに、銭湯紹介のブログを開設している編集者や漫画家ら5人が集まってトークイベントを行うことにした。

 下足室が独立し、浴室や風呂が石造りの大阪に対し、脱衣場で靴を脱ぎ、浴室がタイル張りの京都という、2つの都市の銭湯を写真で比較するほか、参加したファンがお勧めの銭湯を紹介。銭湯経営者に一日の仕事を話してもらうなど、入浴するだけでは分からない裏話も聞ける。

 松本さんは「くつろげる街の銭湯は今の時代にこそ必要な空間。一度なくなってしまうと二度と復活できない」としている。

 開演は午後6時45分。大阪市中央区大手前のドーンセンター・パフォーマンススペースで。参加費はワンドリンク、おつまみ、おみやげ付きで980円。参加希望者は直接会場へ。

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