ひまわりほーむ社長・加葉田和夫さん 「健康と高品質」テーマに

7月12日21時11分配信 産経新聞

 【明日に挑む】

 「健康と高品質」をテーマに、安全性や目に見えない部分の安心を提供することを目指している木造注文住宅の設計・施工会社です。全戸に国の基準に基づく「住宅性能評価書」を発行しているほか、新築するすべての住宅を「200年住宅」の標準仕様としています。「心のこもったもてなしのサービス」が身上です。

 《加葉田和夫社長は平成8年8月8日に会社を設立。13期連続となる増収増益など、「末広がり」の成長企業に育て上げている。本社のある石川県を中心に事業を拡大し、17年には東京に進出した。建物の品質と、スタッフの人間性の高さを両立させることをモットーにしている》

 従業員の教育には何よりも力を入れています。注文住宅は、建物の品質が高いだけでは十分とはいえません。本社スタッフから現場の職人に至るまで、家づくりに携わる人の人間性が評価されて初めて、お客さまに満足してもらえるものだと信じているからです。

 中でも大切なのはマナーです。年に1、2回、400人の施工業者向けに、2時間程度のセミナーを開き、マナーに関心を高めてもらっています。講師は同じ業界の名の通った経営者や職人ではなく、アナウンサーやテーマパークなどのサービス業に携わる異業種の人です。話し方や人との接し方などを学びます。

 職人が建設現場で「もうひとはけ塗ってあげようか」と思えるかどうかで、家の仕上がりはずいぶん変わってくるものです。マナー教育を通し、家を建てる人の身になった優しい心遣いが自然にできるようにと願っています。

 《ひまわりほーむの特徴は「とことん自由設計」にこだわること。家を建てる顧客とのコミュニケーションを重視し、好みのスタイルや細部にわたるデザイン、安全・健康、予算などについて徹底的に話し合うという。壁塗りやタイル張り(時には手作りのタイルを使う)など家づくりにも参加してもらうというユニークな試みも展開している》

 注文住宅は、効率を最優先するコスト重視の建売住宅と対極にあり、非効率だが、徹底したサービスを追求します。トイレットペーパーを載せる台が1ミリでも傾いていたら、現場で話し合い、解決します。

 その間、次の工程の職人は現場に入れず、作業は遅れます。しかし、もし、その場に家族のお年寄りがいたら、「もう少し手前に移動したほうがトイレットペーパーを取りやすいですか」と聞いてあげるよう気をつけています。そこには、効率ばかりを求めていたら見失ってしまう「心」があるからです。

 現場を見にきたお客さまが何か元気がなく、肩を落としているように見えたら、その原因は何かを見つけてあげられるスタッフであってほしい。ひょっとしたら、お客さまは家の仕上がりに何かひっかかりがあるけれども、言い出しにくいのかもしれないからです。

 《本社に「おもてなし委員会」をつくり、現場の職人だけでなく、本社スタッフのマナー向上にも力を入れ始めている》

 お客さまが「あの会社に頼んで気分が良かった」と友人に勧めてもらえる会社を目指します。メンテナンスやリフォームなど長いお付き合いができれば幸いです。

(小島清利)

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