文化審答申:登録有形文化財に6件 倉吉の「大社湯」など /鳥取

◇倉吉の「大社湯」/三朝の木屋旅館、南苑寺本堂など
 倉吉市の銭湯「大社湯」と三朝町の木屋(きや)旅館、南苑寺の本堂や山門など6件が19日、国の文化審議会で登録有形文化財に答申された。県内の登録文化財(有形、有形民俗、記念物)は149件になった。【大川泰弘】

 ■大社湯

 重要伝統的建造物群保存地区の倉吉市新町3にある大社湯は明治後期の建築。1907(明治40)年ごろに営業を始めた。木造2階建てで、ゆったりとした切り妻屋根を載せている。

 1階に銭湯と住居の玄関などがあり、2階は住宅。外観は住宅風。浴場は間口3間、奥行き7間。浴場入り口のタイルは明治期のものとみられるが、色も鮮やかに残っている。屋根瓦をふき替えた際に煙突が撤去されたが、明治の典型的な公衆浴場である当初の姿がよく残されている。

 ■木屋旅館

 三朝温泉街の中心部にある木屋旅館は木造2階、一部3階建て。所有者の御舩家はかつての庄屋で、藩から「木屋」の屋号を下賜された。1868(明治元)年に旅館を開業。三朝温泉の人気が高まるにつれ、増改築を重ね、迷路のような複雑な構造になった。自噴泉をかけ流しで使うために地下2メートルまで掘り下げて風呂場を作った。

 ■南苑寺

 臨済宗の萬年山南苑寺は、1926年に福井県大嶋村の境林庵が移設、改称された。温泉街に近い南向きの山腹に建立された。本堂、隠寮、庫裏、山門の4件が答申された。いずれも27年の建築。

 本堂は3室を東西に並べた数寄屋造り。屋根は寄せ棟。師が住む隠寮も数寄屋風で明かり取り窓を円窓にするなど趣向を凝らしている。庫裏は、正面に屋根の妻飾りを配し、温泉街からどう見えるかを意識した外観になっている。石段の途中に築かれた山門は竜宮造り。下層は漆喰(しっくい)を厚く塗ったアーチ形で、外観にインパクトを与えている。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA