よみがえる大正の名物ビル 大阪・中之島で復元進む

朝日新聞デジタル 2012年10月3日7時47分

よみがえる大正の面影――。大阪市北区中之島で建設中のオフィスビル「ダイビル本館」(地上22階、地下2階)で、2010年に取り壊された大正期の名物ビル・旧ダイビル本館の外観を復元する工事が進み、懐かしい中之島の顔が姿を見せ始めた。

新本館の1~6階部分に復元した。元のビルから位置や大きさが変わったが、復元部分の9割以上に旧本館のれんがを再利用し、装飾の石材の一部も活用。1925(大正14)年の建設当時の外観をよみがえらせる計画だ。内装も床タイルなどを再利用し、旧本館の1階エントランスホールのデザインを再現する予定だ。

新本館は2013年2月末に完成し、旧本館部分の1、2階に店舗、4階にカフェテリアなど、4~6階にはオフィスが入居する予定だという。(戸村登)

【10月10日 銭湯の日】どっぷり人情につかる

アサヒ・コム 2012年10月18日

10月10日は「1010(セントウ)」=「銭湯の日」。1965年に全国約2万3千軒あった銭湯は、今は5千軒を割った。逆風の中で営業を続ける銭湯には、その土地独特の風呂文化が息づいている。出版社を経営する神戸の銭湯マニア・松本康治さん(49)のガイドで、身も心も温まる「関西系」の銭湯を紹介しよう。

大阪市阿倍野区にある25年創業「天明湯」の営業時間は1日2時間半。大半はのれんを下ろし、マニアから「都会の秘湯」と呼ばれる。

「4年前に主人が病気で倒れ、1人でやらなくてはならないので」と田中キヨ子さん(69)。夫を看(み)つつ風呂を掃除し、釜に薪(まき)をくべ湯を沸かし、番台に上がる。「古くからのお客さんと話をするのが楽しくて。赤字を出さない範囲で続けます」

浴場に入ると、壁に天女と富士山を描いたタイルのモザイク画が目に入る。松本さんによると、これが「関西系」。東京ではもっぱらペンキ絵だ。のれんの長さも東京の40~50センチに対し、関西では1メートル以上と派手めだ。

湯船は御影石製。石材の産地の神戸・六甲に近い阪神間に多い。大阪市生野区の「源ケ橋温泉」は湯船だけでなく、浴室の床まで御影石製。37年建築で国の登録有形文化財になっている。

六甲から少し遠い京都になるとタイル張りになるが、贅(ぜい)を尽くした銭湯が少なくない。京都市北区の「船岡温泉」も登録有形文化財。壁面を飾るタイルと欄間の彫刻は、23年に料理旅館として創業した当時のものだ。同市伏見区の「宝湯」は31年に建てた洋風建築。市選定の「京都を彩る建物や庭園」の一つだ。

神戸市東灘区には阪神大震災を乗り越えた「ときわ湯」がある。全壊したが、敷地内にあった立体駐車場の鉄骨を利用して仮設店舗を建て、地震から2カ月半後に再開した。同じ神戸で被災した松本さんも浸(つ)かった。「あのときほどお風呂のありがたみを感じたことはない」。今も仮設のまま営業している。「震災を忘れないための遺産です」

兵庫県姫路市には常連客の熱意で廃業を思いとどまった「白浜温泉」がある。昨春、地区唯一の銭湯の風呂釜に亀裂が入った。経営者の山本裕子さん(59)は1日でも長く営業しようと、亀裂が広がらないよう時間をかけて湯を沸かした。それを知った松本さんは銭湯ファンにSOSを発信し、集まったボランティア30人が傷んだ浴場のタイルを張り替えた。2月下旬に風呂釜を新調しリニューアルオープンした。

人情の厚さも、「関西系」の特徴の一つである。(長谷川千尋)

メモ 公衆浴場業生活衛生同業組合によると、現存の銭湯は大阪府に638、京都府167、兵庫県149。銭湯情報は松本さんのサイト「関西の激渋銭湯」(http://www.sairosha.com/meisento/sento.htm)に詳しい。

■推薦

漫画家・ラッキー植松さん(52)

家で味わえぬ心地よさ

大阪の自宅に風呂はありますが、1年で300日は銭湯に行きます。広い湯船、水風呂と交互に入る心地よさは家では味わえません。銭湯は主人とお客が雰囲気をつくっていく場。一軒ごとに味わいが違います。7年前から、入った銭湯をブログ「楽喜的銭湯楽園生活」に書いています。1010軒の銭湯に入るのが目標で800軒を超えましたが、廃業するところも多く寂しさも感じます。

法人化記念碑が完成 学生が制作、近く設置へ 広島・尾道市立大

産経新聞 9月11日(火)7時55分配信

 4月に公立大学法人に移行した尾道市立大学(久山田町)で、法人化を記念するモニュメントが完成した。同大美術学科の学生のデザインを採用、制作も学生らが担当した。年内には学内に設置される。

 モニュメントは生口島(瀬戸田町)産の御影石(高さ1メートル、直径90センチ、重さ約1・2トン)製。同大の理念に基づき「知と美」がテーマで、球を立方体が取り巻く形になっている。

 同大美術科1年、服部愛さん(19)のデザイン。大学側が学生からデザインを募集したところ、72点の応募があり、選考委員会で最優秀賞に選ばれた。服部さんによると、「知と美」を立方体、球体の2つの異なる要素で表現。球体を巡るように延びた立方体に「探究と創造」の意味を込めたという。

 制作は同学科の矢田部怜奈さん(19)、粟根夢咲さん(19)ら1~2年生有志7人が担当。8月初めから制作に着手し、1カ月がかりで完成。立体感を出すのが難しかったという。亀田良一・前市長からの寄付金50万円を活用、制作費や設置工事費に充てる。

 服部さんは「採用されて恐縮していますが、後世に残るのでうれしい」。指導にあたった児玉康兵教授は「学生たちがデザインし、制作したことに意義がある。全国的にもユニークなものができた」と話した。

LIXIL、約50万枚の「赤レンガ」を供給し東京駅駅舎を復原

マイナビニュース 10月4日(木)9時10分配信

LIXILは10月3日、東京駅丸の内駅舎の保存・復原工事において、「赤レンガ」と呼ばれる化粧レンガの再現に成功。戦災により焼失した南北のドーム部分を含む3階部分の外壁に約50万枚の赤レンガが採用されたと発表した。

同社では、復元において最も苦労した点として、「基本色(赤色)の再現」と「色合いのばらつき再現」を挙げている。

なお、タイル施工は不二窯業、タイル販売はダイナワン、タイル製造は同社及びアカイタイルが行った。

[マイナビニュース]