北海道新聞(08/05 16:00)
札幌市中央区の商店街、狸小路で3日、誕生140周年とメーン街路のバリアフリー化工事の完成記念式典が開かれた。本物のタヌキも「一日狸事長(りじちょう)」として登場し、商店主や買い物客らが笑顔で節目を祝った。
狸小路は1873年(明治6年)に誕生した。式典は1973年の100周年記念時に建立された通称「狸神社」(狸小路5)前で開かれ、札幌狸小路商店街振興組合(菊池恒理事長)の会員や、姉妹提携している松山市の商店街関係者ら約100人が参加した。
「よいしょ」のかけ声で鏡開き後、通りかかった買い物客に祝い酒が振る舞われた。一日狸事長のエゾタヌキとふれ合える時間も設けられ、親子連れなどが「かわいい」と歓声を上げた。式典に続いて恒例の夏祭りも行われ、御輿(みこし)を担いだ商店主らが商店街を練り歩いた。
菊池理事長は、「これからも150周年、200周年に向け、コミュニティーの核として伝統をつないでいきたい」と話した。
バリアフリー化は札幌市の事業で、狸小路1~6丁目を東西に貫く街路をタイルから滑りにくい御影石の舗装に変え、中央部分から店側に傾斜していた勾配も緩やかにした。目の不自由な人も歩きやすいよう点字ブロックを敷設した。総事業費約5億円で昨年着工し今月中に完了予定。(西依一憲)