皇后さまが障害者の工芸展に

皇后さまは29日午前、東京都中央区の日本橋三越本店で開催中の「第23回旭出学園工芸展」を視察された。
 同展は2年に1度開催され、学校法人旭出学園(東京都練馬区)が運営する養護学校の児童、生徒や卒業生らがつくった作品を展示。色とりどりに和紙を染めた「染め紙」を見た皇后さまは「面白うございますねえ」と話し、桜の花びらをかたどったはし置きや、タイルでつくった鍋敷きなどと一緒に購入した。工芸展は30日まで。(2010/03/29-11:32)

「紫駅」 27日開業 西鉄天神大牟田線 18年ぶりの新駅 筑紫野

 西日本鉄道(福岡市)が27日に筑紫野市紫2丁目に開業する天神大牟田線の新駅「紫駅」の竣工(しゅんこう)式が26日、同駅コンコースであった。壁などの色には、地名や地元のまちおこし運動「紫プロジェクト」にちなんで紫を使い、環境にも配慮した駅舎が関係者に披露された。

 紫駅は同線では三国が丘駅(小郡市)以来、18年ぶりの新駅。西鉄二日市‐朝倉街道間(2440メートル)に約7億円かけて設置された。普通列車のみ上下204本(平日)が停車し、一日約6600人の利用が見込まれている。福岡(天神)駅までの運賃は大人普通330円。

 駅舎前に風力・太陽光発電を利用した照明2本を設置し、駅舎内の床にはリサイクル材のタイルを使用。駅名も紫色で表示している。竣工式で柳信治・西鉄鉄道事業本部長は「将来まで地域に愛される駅になると思う」とあいさつした。

=2010/03/27付 西日本新聞朝刊=

新博多駅:タイル画参加費、屋久島町など3団体に寄付--JR九州 /鹿児島

JR九州は24日、新しい博多駅の壁画となるタイル画を募集した際の参加費を世界自然遺産に登録される屋久島でトイレ問題解決のために募金活動を続ける屋久島町など3団体に寄付した。寄付総額は2520万円。目録贈呈式で唐池恒二社長は「引き続き社会貢献活動で九州を引っ張っていただきたい」とあいさつした。

 タイル画は新しい博多駅コンコースの壁画とするために募集。花、鳥など六つのテーマで国内外から合計2万8522枚の応募があり、参加費2643万7000円が集まった。【綿貫洋】

文化審答申:登録有形文化財に6件 倉吉の「大社湯」など /鳥取

◇倉吉の「大社湯」/三朝の木屋旅館、南苑寺本堂など
 倉吉市の銭湯「大社湯」と三朝町の木屋(きや)旅館、南苑寺の本堂や山門など6件が19日、国の文化審議会で登録有形文化財に答申された。県内の登録文化財(有形、有形民俗、記念物)は149件になった。【大川泰弘】

 ■大社湯

 重要伝統的建造物群保存地区の倉吉市新町3にある大社湯は明治後期の建築。1907(明治40)年ごろに営業を始めた。木造2階建てで、ゆったりとした切り妻屋根を載せている。

 1階に銭湯と住居の玄関などがあり、2階は住宅。外観は住宅風。浴場は間口3間、奥行き7間。浴場入り口のタイルは明治期のものとみられるが、色も鮮やかに残っている。屋根瓦をふき替えた際に煙突が撤去されたが、明治の典型的な公衆浴場である当初の姿がよく残されている。

 ■木屋旅館

 三朝温泉街の中心部にある木屋旅館は木造2階、一部3階建て。所有者の御舩家はかつての庄屋で、藩から「木屋」の屋号を下賜された。1868(明治元)年に旅館を開業。三朝温泉の人気が高まるにつれ、増改築を重ね、迷路のような複雑な構造になった。自噴泉をかけ流しで使うために地下2メートルまで掘り下げて風呂場を作った。

 ■南苑寺

 臨済宗の萬年山南苑寺は、1926年に福井県大嶋村の境林庵が移設、改称された。温泉街に近い南向きの山腹に建立された。本堂、隠寮、庫裏、山門の4件が答申された。いずれも27年の建築。

 本堂は3室を東西に並べた数寄屋造り。屋根は寄せ棟。師が住む隠寮も数寄屋風で明かり取り窓を円窓にするなど趣向を凝らしている。庫裏は、正面に屋根の妻飾りを配し、温泉街からどう見えるかを意識した外観になっている。石段の途中に築かれた山門は竜宮造り。下層は漆喰(しっくい)を厚く塗ったアーチ形で、外観にインパクトを与えている。

「芦ノ町池」彩るタイル画

 改修工事が完了した京都府舞鶴市与保呂の貯水池「芦ノ町池」で16日、地元の小学生と住民が描いたタイル画の記念モニュメントが除幕された。

 与保呂川源流付近にある貯水池は、1908(明治41)年に旧海軍の上水道建設に関連して、住民が農業用水を確保するために造成した。老朽化した堤を、京都府が3年前から約1億9千万円かけて改修していた。

 この日は、与保呂小の5、6年生58人が堤に集まり、モニュメントを除幕した。タイル画約80点には、桜、紅葉などの自然や地元に伝わる「蛇切岩(じゃきりいわ)伝説」にちなんだ場面が描かれている。

 ため池改修に関する住民組織代表の石束輝己さん(75)は「子どもたちは成長しても池のことを思い出してほしい」と話している。

島田「みのる座」あすでさよなら

大正時代のレトロな雰囲気を残す島田市の映画館「みのる座」(同市本通6丁目)が、10日の「さよなら上映」を最後に1世紀近い歴史の幕を閉じる。子どもや家族連れ向けのアニメなどを上映してきたが、少子化に加え、藤枝市に1年前に複合型映画館がオープンしたことで、経営が難しくなった。さよなら上映当日は、山田洋次監督がトークショーに訪れる予定だ。(竹田和敏)

 さよなら上映では、山田監督の「男はつらいよ」22作目で、島田市がロケ地になった「男はつらいよ 噂(うわさ)の寅次郎」が上映される。午前と午後の上映と、夜の山田監督トークショーとも、190席の整理券は出尽くしたという。

 みのる座は1916(大正5)年開館。50年代に現社長の太田晴也さん(49)の父修平さん(80)が芝居小屋だった同館を創業者から引き継ぎ、当時全盛だった映画館に改修した。大正時代のれんが張りのタイルを残すなどレトロな建物について、閉館に際して建築専門家が調べたところ、文化的、建築的に貴重なものという。

 修平さんは60年ごろに配給元の松竹のパーティーで山田監督と知り合ったという。山田監督の作品で、西田敏行主演の「虹をつかむ男」のモデルの1人になったといわれる。こうした縁から、太田さんが閉館の決意を山田監督に伝えたところ、ベルリン映画祭出席前で多忙だった同監督から「10日なら参加できる」との返事があったという。

 太田さんは「地方の小さな映画館の閉鎖に山田監督が足を運んでくれるのは、普通ではありえない。みのる座の映画に寄せる夢を伝えることができる」と話している。

被害30万円増、浸水49棟に チリ大地震津波

 宮城県が3日まとめたチリ大地震に伴う津波の被害状況によると、同日午後4時現在の被害総額は2532万円だった。前日比べ30万円ほどの増加で、水産業を中心に被害の把握が難航している。

 東松島市の県漁協鳴瀬支所管内で、カキの養殖施設計5基が破損したことが新たに判明。被害額は概算で5万円で、水産業関連被害は計596万円となった。女川町では観光施設マリンパル女川前の歩道のタイルがはがれたほか、近くの駐車場の精算機が水ぬれで故障したことが分かった。

 女川町の住宅6棟で浸水していたことが新たに分かり、県内の床上浸水は1棟増えて4市町で6棟、床下浸水は5棟増の3市町43棟となった。

神戸で「チャイナペインティング」展-ティーセットなど80点展示

神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で2月23日、企画展「チャイナペインティング-出会いと対話-」が始まった。

 同展は、日本ホビーセラミック協会認定講師の林昌代さんと生徒約15人が出品する企画展。陶板やティーセット、ワインクーラーなどに上絵付けを施した作品約80点を展示する。ペインティングは風景や人物、文字などさまざま。中には制作に1年以上かけたものも。

 チャイナペインティングは白磁器に上絵付けを施し、800度以上の専用電気釜で何度か焼成して仕上げる。ポーセリンアートや西洋陶絵付けとも呼ばれる。焼き上がりは光沢が出て華やかになるという。

 制作を始めて15年以上になるという林さん。最初はタイルに関する仕事をしていた夫の影響で、タイル絵を描いていた。林さんの子どもたちが描いたタイルを風呂に貼ったり、幼稚園児が描いたタイルを足洗い場に貼ったりするなどしていたが、食器に描くことに魅せられ、のめり込んでいったという。

 自身が制作したティーカップで紅茶を飲むのが至福の時間だという林さんは「2年に1度京都のギャラリーで展示会をしている。そちらにはカウンターがあって、作ったカップを並べ、来られた方にお好きなカップで紅茶やコーヒーを楽しんでいただく。それがずっと夢だった」と話す。「とにかく描きたい、次の作品を作りたいという気持ちが強い。生徒さんからも『新しい画材を使ってみたい』『繊細なものに挑戦したい』と声が上がることがうれしい。これからもずっと描いていくんだろうなと思います」とも。

 開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。3月7日まで。

エコで勝負:住商インテリアインターナショナル CO2排出量ゼロのカーペット

住商インテリアインターナショナルは、二酸化炭素(CO2)排出量ゼロのオフィス向けカーペット「スミグリーン」を企業、官公庁などに販売している。業界で初めて表裏ともリサイクル素材を使い、排出権を購入・付与することで、製造段階のCO2排出量をゼロとみなすカーボンニュートラル化を実現した。

 タイルカーペットは表地と裏地の素材が異なるため、効率的なリサイクルは難しかった。同社は表裏を分離し、裏地を粉にして再利用する技術を住江織物と共同開発。表地にはペットボトルを使った繊維を利用し、従来品に比べCO2排出量を19%削減した。1000平方メートルあたり1・17トンのCO2削減効果がある。

 残りの81%について、親会社の住友商事から排出権を購入し「排出量ゼロ」商品として昨年から販売を始めた。顧客には排出権の移転証明書が発行される。

 カタログ価格は1平方メートルあたり9030円で、従来品と変わらないという。【窪田淳】