職人技 高知で体験イベント「技能祭」

建築や食品などにかかわる職人の技術を広く知ってもらう「技能祭」が29日、高知市帯屋町1丁目の中央公園であった。県内から24団体が参加し、ものづくりの体験コーナーを開いた。

 この祭りは県職業能力開発協会などの主催で1981年に始まった。予算の関係で中断したため、3年ぶりに開かれた。同協会総務課によると、近年は景気低迷で県内の建設・建築業界が衰退し、参加団体数が減少傾向にあるという。

 この日は県板金職業訓練協会による銅板製の折り鶴づくり体験や、全日本印章業協会県支部による年賀状用はんこづくりが人気を集めた。

 県左官タイル業協同組合の竹崎照夫理事長(66)は「現役の職人はみんな50~60代で、このままだと技術の継承が難しくなる。今回のようなイベントを通じて、少しでも職人に興味を持ってもらえればいい」と話していた。

全国児童画コンクール:県内4人受賞、喜びの声 応募37万点 /青森

第28回全国児童画コンクール(毎日新聞社・毎日小学生新聞・日本児童画振興会主催)で、応募作品37万2272点の中から、県内では文部科学大臣賞に山下陽太君(11)=青森市立金沢小5年▽最優秀賞(小学校高学年の部)に月舘智哉君(12)=八戸市立明治小6年=の作品が見事輝いた。また、毎日小学生新聞賞(同高学年の部)に佐井嶺介君(10)=八戸市立中居林小5年▽日本児童画振興会奨励賞(同高学年の部)に藤本凌君(10)=青森市立造道小5年=の作品が選ばれた。

 ◆文部科学大臣賞

 ◇「自信がついた」--青森市立金沢小5年・山下陽太君
 自由なテーマで絵を描く図工の時間に思い浮かんだのは、自宅の風呂に入る自分。風呂が大好きというわけではないが、「気持ちよくてリラックスできるのがいいな」と思った。

 風呂の壁に張っている日本地図や湯気、タイルの様子などを丁寧に再現。肩まで湯につかり、「あ~あったけ~」とつぶやく自分を想像した。笑顔で目を細めた表情が豊かで、特にまゆ毛や目はうまく描けてお気入りだ。

 受賞の知らせは、インフルエンザで学級閉鎖となった時、担任の先生から電話で知らされた。友だちには伝えられなかったが家族と喜び、「授賞式は緊張しそう」と晴れの日に思いを巡らしている。

 母まり子さん(49)は「絵が得意じゃなかったのでびっくり」。「お風呂からあふれるお湯がいいね」と作品の表現力を褒め、授賞式を楽しみにしていた。

 陽太君は絵で受賞するのは初めてで、「絵を描く自信がついた」と話している。今は絵を描くよりも、4年生から始めた野球に夢中だ。受賞して野球仲間にも褒められ、「これで威張れるかな」と自信の笑みをこぼしていた。【三股智子】

 ◆高学年の部最優秀賞

 ◇何色も重ね完成--八戸市立明治小6年・月舘智哉君
 夏休みに学級活動で行った魚市場の様子を描いた。「魚をさばくところとか、大勢の人でにぎわっていて印象に残った」という。

 市場は初めてで、わくわくした気持ちを表そうと「今まで以上に力を入れた」。こだわったのは、魚を本物のように描写すること。魚の顔など記憶があやふやな部分は、図鑑で確かめた。色は納得がいくまで何色も重ねた。完成した時は「自分でもよくできたなあ」と思った。

 サッカーと習字が好きで、将来の夢は「習字の先生」。絵を描くのは好きでも得意でもないという。でも、担任の初森真由美教諭は「授業でも写実的なところが上手」と評価。月舘君は受賞について「驚いたけど、うれしいと思った」と照れくさそうに話した。【喜浦遊】

“就活”は職人に聞け! 大阪府が「事典」作成

 若者の就職支援に取り組んでいる大阪府は、府内で活躍する“ベテラン職人”の生き方をつづった「職人人生事典」を作成した。手に取りやすい文庫本型。帯も装丁し、「選ぶのは、仕事ですか。人生ですか。」と問いかけている。府の就職支援担当者は「事務職を希望する若者が多いが、いろんな人生がある。『職業』について考えるきっかけになれば」と話している。

 「職人人生事典」はJOBカフェOSAKAのスタッフが企画。千部作成した。職種は、畳、印章、看板、宮大工、建築板金、タイル張り、塗装、板ガラス、料理人、フラワーデザイナーと多岐にわたる。

 それぞれの生き方を仕事場の写真とともに紹介。現在の職を選んだ理由や、挫折や迷いを感じながらもやりがいを感じるまでにいたった職人としての成長過程がつづられている。

 63歳の板ガラス職人の女性は、男職場で当初は居場所が与えられなかった体験に触れ、それをバネに、「自分の可能性を広げることができた」と結んだ。

 38歳の看板職人は、デザインの専門学校を卒業後、印刷会社に入社したものの、希望したデザインの仕事できず、2年半で退社。職安に通う日々が続いたが、家業の看板づくりに携わるようになった。最近の心境について、「はじめて父の背中を目指す日がやってきた」と述べている。

 府人材育成課は「文庫版だと電車の中などでじっくり読んでもらえると考えた」と話している。

 本書は、府の就職支援施設「JOBカフェOSAKA」(大阪市中央区)で無料配布。問い合わせは、同施設(電話06・4794・7360)。

旧岡谷市庁舎をライトアップ

 岡谷が製糸業で栄えた歴史を伝える岡谷市幸町の登録有形文化財「旧岡谷市庁舎」が、投光器でライトアップされている。1936(昭和11)年の市制施行に合わせて製糸家が寄贈したタイル張りの洋風建築が暗がりに映え、通り掛かった人からは「まるで異国のよう」との声も聞かれる。

鍵テーマに障害者アートの空間 

知的障害者とアーティストがコラボレーションした作品展「青谷学園アートジャンクション2009」が19日、京都市中京区の新風館で始まった。会場には段ボールによるアートハウスや絵画、オブジェが並び、来場者は楽しげな空間を満喫していた。

 大勢の人が集まる商業施設で、ありのままの自己表現の姿を見てもらおうと、今回で5回目。青谷学園(城陽市)が運営する授産施設に入所・通所する知的障害者50人が作品づくりに参加した。

 今回のテーマは「鍵」。国内外で活躍するJUNICHIさん(21)がデザインした鍵形の木工に色を塗るなど、装飾した500本の鍵を山積みに展示した。また、段ボールハウスは背丈ほどの高さがあり、扉を開けて中に入れる。JUNICHIさんら全員で模様を描いた。

 利用者が作ったオブジェやタイル絵も展示している。23日まで、入場無料。

韓国・釜山室内射撃場火災 死亡した日本人7人の遺体、夕方遺族とともに帰国の途に

韓国・釜山(プサン)の室内射撃場で16人が死傷した火災で、死亡した日本人観光客7人の遺体は19日夕方、遺族とともに帰国の途に就く。
火災発生から6日目、被害者の遺体は、ようやく帰国の途に就く。
一方、火災原因について、捜査当局は、射撃場内部で爆発性の火災が起きたとの見方を強めている。
現地の捜査本部は18日、射撃場の内部を報道陣に公開した。
黒く焼け焦げた室内は、11人の命を奪った炎がいかに強かったかを物語っている。
一方で、トイレのタイルは白く残るなど、局所的に激しく燃えたことが見て取れた。
警察は「発火地点は射撃場内であると判断しました」と述べた。
警察では、残留火薬による粉じん爆発の可能性も視野に、遺留物の分析や射撃場の清掃状況などをくわしく調べる方針。
一方、この火災で死亡した日本人7人の遺体は、身元が確認され、遺族に引き渡された。
遺体は19日午後6時ごろ、家族とともに釜山の空港を出発し、福岡空港へ向かう予定。

岩見沢市絵画ホールの松島記念館 「77歳」まだ現役と外装改修

【岩見沢】市絵画ホール・松島正幸記念館(市7西1)で、9月から行われている外壁の改修塗装工事がまもなく終了する。1932年(昭和7年)建築で、前身は旧岩見沢警察署という異色の経歴を持つ建物だ。

 同ホールは、当時としては珍しい鉄筋コンクリート2階建て。歴史的文化遺産の保存と芸術文化の振興を目的に、90年に絵画ホールとして開館した。深川出身の洋画家で、道教育大岩見沢校でも非常勤講師を務めた松島正幸(1910-1999年)が、国内外を旅して描いた油絵などを数多く収蔵している。

 しかし、この数年はホール外壁のひび割れが著しく、市は総工費1400万円で、玄関のひさしの防水や事務室の窓枠の修理などを含めた改修塗装工事を行っていた。

 階段の手すりや床のタイルなど内装はほぼ当時のまま。「『昔と全然変わってないね』と懐かしむ警察のOBの方もいます」と枝広健二館長。11月末には工事が終わり、きれいなクリーム色の建物に生まれ変わる予定。

 記念館では、14日午後2時から道教育大岩見沢校音楽コースの学生による木管五重奏のコンサートが開かれる。入館料は一般210円、高校・大学生150円、中学生以下無料。(芝垣なの香)

延命地蔵の水でたこ焼き 富山で話題

 富山市石倉町にある名水「延命地蔵の水」を使ったたこ焼き屋が今年5月、名水横にオープンし、話題を呼んでいる。店を営む同市東田地方町、吉田凌晟(りょうせい)さん(61)は「名水をくみに来る人にはぜひ味わってほしい」と話している。

 「延命地蔵の水」を使って溶かした生地の中に、マヨネーズを流し込んだ製法で、名前は「マヨタコ」。外側の生地はカリッと焼き上がり、中はトロっと軟らかい食感が楽しめる。名水は口当たりが軟らかいのが特徴で、吉田さんは「生地もまろやかになる」と話す。

 吉田さんは今年3月まで建築会社を経営し、同市新総曲輪の県警本部の外壁タイル工事などを手がけてきた。しかし、不況で仕事が減ったことに加えて、「60歳を過ぎて、年齢的に厳しくなった」との理由から、経営を後進に譲った。

 10年ほど前から、趣味として祭りの縁日などで屋台を手伝っていた経験を生かし、本格的にたこ焼き屋を開くことを決意。人が集まり、駐車スペースがある場所を求めて、市内を探し回った結果、吉田さん自身も飲んでいた「延命地蔵の水」に出合ったという。

 注文してから焼き上げるため、最初は「遅い」と文句を言う客もいたが、徐々に一つひとつを丁寧に作り上げる店のスタイルが浸透。多い日で約50食も売れるようになり、最初にたこ焼きを注文し、焼き上がる間を利用して、名水をくむ客も増えてきたという。吉田さんは「人づてにおいしいと聞いたお客さんが来てくれるのがうれしい」と喜ぶ。

 近くで飲食店を経営する寿々(すず)怜子さん(61)は「今まで延命地蔵の水の周辺で、軽食を出すような場所はなかった。たこ焼きは子供から大人まで来るのでいい。遅くまでやっているのも便利で、客の注文に快くこたえ、サービスがいいと評判で、吉田さんは地元のアイドル的存在だ」と話している。

 営業時間は平日午前11時~午後2時と同4~9時。休日は午前11時~午後9時。たこ焼きは6個で400円。問い合わせは吉田さん(090・5681・9870)。

(2009年11月17日 読売新聞)

職人の技満喫 技能グランプリ&フェスタ 神戸 

兵庫県内の職人らが優れた技術を披露する「技能グランプリ&フェスタ2009」が14日、神戸・ポートアイランドの神戸国際展示場で始まり、職人技の実演を家族連れなどが見学した。

 県や神戸市などでつくる実行委員会が主催した。洋装や建築、石工などの職人団体が技能を披露するほか、時計、ゴム鉄砲づくり、タイルの絵付けなどの体験会を開催。県建設労働組合連合会の丸太切り体験に挑戦した田中達宏さん(12)(神戸市灘区)は「こんな大きな木を切るのは初めて。肩が痛くなった」と話した。

 また、同じ会場で、神戸ファッション協会主催の地場産業の企画展「ひょうごじばさん広場」も同時開催。8月の集中豪雨で被害を受けた佐用町の観光協会が自然薯(ジネンジョ)を販売しているほか、三木の金物づくりの体験会などが行われている。

 ともに15日まで。(阿部江利)

原寸「鉄人28号」触れます フェンスを撤去 

「鉄人28号」の原寸大モニュメントが設置されている神戸市長田区の若松公園で13日、モニュメントを囲っていたフェンスが撤去された。自由に近づけるようになり、迫力を実感できる。

 阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして、地元商店主らでつくるNPO法人「KOBE鉄人プロジェクト」が企画した。10月の完成式典後、足元のタイルの整備が進められてきた。

 この日、作業員が公園の周囲に置かれていたフェンスを撤去。訪れた買い物客や子どもらが早速足元に近づき、全長18メートルの巨体を間近で見上げたり、触ったりしていた。

 同区の介護福祉士(65)は「毎日のように見ているけど、迫力が違いますね。ますます元気をもらえそう」と笑顔で話していた。(若林幹夫)