◇魅力的な物件、目白押し
マンションの売れ行きが急速に回復するなか、首都圏では夏に向けて供給ラッシュというべき状況が生まれている。
駅に近い大規模、再開発エリアの超高層など注目物件が目白押し。気になるのはその価格……だが、調べてみると「結構抑えられているなあ」というのが私の印象だ。分譲物件が増えたため、価格を上げればそっぽを向かれそう。だから上げられない。低い価格水準のままだが、短期間に売れるのであればそれでよしとする不動産会社が多い。それが、価格が抑えられている理由だろう。
つまり、この夏、新規分譲されるマンションは数が多いだけでなく、魅力的な物件の比率も高いわけだ。一例をあげよう。
川崎市内で新規分譲される「パークホームズグランファースト」は三井不動産レジデンシャルが売り主となる“駅近”の大規模マンションだ。
建設地は京急大師線・鈴木町駅が最寄りで、同駅から徒歩1分。敷地の隣がイトーヨーカドーとなるため、買い物も徒歩1分という便利な場所である。ちなみに、鈴木町駅は川崎まで2駅5分となるため、品川まで13分、横浜へも11分という所要時間となる。
総戸数は303戸。15階建ての高層棟と7階建ての中層棟で構成され、建物は約5700本の樹木で囲まれる。そして、敷地内に託児所を備え、駐車場設置率は約89%。その駐車場の使用料が月額3000円からになる予定など、注目点が多い。
住戸内の設備も充実しており、IHクッキングヒーター、エコキュートの次世代オール電化システムを採用。ディスポーザー、食器洗い乾燥機、そしてキッチン天板(大理石)一体型カウンターを標準設置する。窓は二重サッシもしくはペアガラスサッシで、外壁はタイル張りとガラス面が多い構成。エントランスロビーは十分な広さを確保するなど、しっかりとつくり込まれている。
それでいて、価格は2800万円台から(約58平方メートル)。70平方メートルクラスの3LDKでも3400万円台からの設定となっており、住戸バリエーションも豊富だ。
低金利の現在、3400万円の住戸を全額ローン、35年返済・ボーナス併用なしにしても、毎月の返済金は10万円前後におさまる。毎月の管理費と修繕積立金、それに駐車場使用料を加えても、「今払っている家賃より安い」という家庭が多いはずだ。
6月から始まった事前案内には30歳前後の若い夫婦から、シニアの2人暮らしまで幅広い層が集まっている。価格の手ごろさと、便利な立地が支持された結果だろう。(住宅ジャーナリスト