1月20日8時4分配信 産経新聞
広島県福山市が緊急雇用対策として採用した臨時職員25人が19日、同市内で業務を始めた。期間は3月末までの予定だが、市は「採用された人たちにとって、今回の試みが次の仕事につながる一歩になれば」としている。
募集の対象になったのは、事業主の都合で解雇されたり、派遣契約が更新されなかった人ら。市によると、50人の募集枠に、19~62歳までの65人が面接に訪れた。失職理由については、派遣契約が更新されなかったことの29件が最も多かったという。
この日は、ゴミの分別収集作業や建物の修繕工事、事務作業で男女計25人が業務を開始。同市幕山台の幕山公民館では、8人が床材のタイルの張り替え工事を始めた。約1200枚を交換予定で、電動工具を使い、古い床材を撤去する作業などに取り組んだ。
派遣社員として昨春まで住宅機器製造販売会社に勤務していた男性(56)は「働けるのはうれしいこと。しかし、私の年齢では、これから正社員として働くのは難しいのでは」と話していた。
また、市では同日から市役所1階ホールに緊急雇用相談窓口を設置。昨年末から開設していた窓口を拡充したもので、平日の午前9~午後5時、失職者らの生活や雇用に関する相談などに応じる。
ハローワーク福山によると、金融危機の影響で、福山市内などでは、特に液晶や自動車関連など製造業の雇用情勢が悪化しているという。