“就活”は職人に聞け! 大阪府が「事典」作成

 若者の就職支援に取り組んでいる大阪府は、府内で活躍する“ベテラン職人”の生き方をつづった「職人人生事典」を作成した。手に取りやすい文庫本型。帯も装丁し、「選ぶのは、仕事ですか。人生ですか。」と問いかけている。府の就職支援担当者は「事務職を希望する若者が多いが、いろんな人生がある。『職業』について考えるきっかけになれば」と話している。

 「職人人生事典」はJOBカフェOSAKAのスタッフが企画。千部作成した。職種は、畳、印章、看板、宮大工、建築板金、タイル張り、塗装、板ガラス、料理人、フラワーデザイナーと多岐にわたる。

 それぞれの生き方を仕事場の写真とともに紹介。現在の職を選んだ理由や、挫折や迷いを感じながらもやりがいを感じるまでにいたった職人としての成長過程がつづられている。

 63歳の板ガラス職人の女性は、男職場で当初は居場所が与えられなかった体験に触れ、それをバネに、「自分の可能性を広げることができた」と結んだ。

 38歳の看板職人は、デザインの専門学校を卒業後、印刷会社に入社したものの、希望したデザインの仕事できず、2年半で退社。職安に通う日々が続いたが、家業の看板づくりに携わるようになった。最近の心境について、「はじめて父の背中を目指す日がやってきた」と述べている。

 府人材育成課は「文庫版だと電車の中などでじっくり読んでもらえると考えた」と話している。

 本書は、府の就職支援施設「JOBカフェOSAKA」(大阪市中央区)で無料配布。問い合わせは、同施設(電話06・4794・7360)。

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