【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)奥野敦史】米航空宇宙局(NASA)は米中部時間9日(日本時間10日)、国際宇宙ステーション(ISS)に入った山崎直子宇宙飛行士(39)が、長期滞在中の野口聡一宇宙飛行士(44)とともに、物資搬入を行う様子をNASAテレビなどで公開した。
山崎さんは物資移送責任者(ロードマスター)として野口さんと作業に着手。スペースシャトル「ディスカバリー」で運び、ISSに設置した大型コンテナ「レオナルド」から、大きな実験用冷凍冷蔵庫などを慎重に運び、日本実験棟「きぼう」に取り付けた。
NASAによると、今回はディスカバリーから約7・6トンの物資をISSに運び入れ、実験サンプルやごみなど約3・4トンを地球に持ち帰るという。この日は山崎さん、野口さんとアレン・ポインデクスター船長(49)らで乗組員の新しい個室など物資の約11%を運び終えたという。
◇シャトル帰還、19日夜に延期
一方、NASAは、山崎さんが乗る「ディスカバリー」の地球帰還を1日延期し、ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)への着陸予定を日本時間19日夜に変更すると発表した。シャトルは打ち上げ直後、映像など高速大容量通信などに使われるアンテナに不具合が発生。シャトルから画像などを地上に送れなくなっている。
通常、シャトルはISSから離脱後にカメラなどで機体の耐熱タイルの損傷をチェックし、データを地上に送って精査してから大気圏に再突入する。しかし今回はシャトルから送信できないため、ISSにドッキングしたまま検査。データ送信後にISSから離脱するため、帰還を1日遅らせるという。