11月19日16時0分配信 毎日新聞
奈良時代の新薬師寺金堂と見られる建物跡が構内で見つかった奈良市の奈良教育大学教育資料館で、発掘現場で見つかった遺物の展示が始まった。東大寺と同じ型の瓦や土器など、奈良時代の大寺院の姿を想像させる内容となっている。入場無料。
金堂基壇跡とみられる遺構の雨落ち溝からは、唐招提寺と同じ型で作られた丸瓦や、東大寺と同じ型の軒平瓦(いずれも8世紀中ごろ)などが見つかった。
東大寺の造営と深くかかわって新薬師寺が創建されたことや、その瓦を作った工人たちの技術が唐招提寺の造営にも利用されていたことが分かる。タイルとして使われる〓(せん)は、復元すると30センチ四方、厚さ約10センチ程度の大きさ。金堂など大きな建物の床に敷かれていたと考えられるという。
土器では、金堂の法要などで使われることの多い奈良三彩も発見。基壇跡の南約20メートルの溝の跡から見つかった瓶のような須恵器(9~10世紀)も展示した。安置されていた仏像の一部と見られる木屎漆(こくそうるし)の破片もある。
来年1月31日まで。午後1~5時。土日、祝日休館。問い合わせは同館(0742・27・9297)。【花澤茂人】