九産大:ユニーク卒研 1K「クール」に改装、賃貸に--建築学科・古川さん /福岡

3月9日12時4分配信 毎日新聞

 九州産業大学の学生が卒業研究で、実際の部屋のリフォームを手掛け、賃貸物件として貸し出される。また志賀島(東区)にアジアへ向けたゲートタワーを造る構想をまとめた学生も。それぞれユニークな研究として学内で注目された。【幸島朋子】
 教師志望だった工学部建築学科4年、古川信一さん(22)=東区=は、リフォーム授業に関する卒業論文執筆のため、1年生10人と大学近くにある築約30年の賃貸ビル(東区香住ケ丘2)の1室のリフォーム実習に取り組んだ。
 ビルの空き部屋8室の改装を低予算で請け負っていた、建築士の宮城雅子さん(39)と知り合ったのがきっかけ。学内の部屋の改装許可が出ず、困っていた時に見つかった“物件”だった。
 リフォームした部屋(6畳1K)の概念は、男子学生3人が同時に提案した簡素でかつおしゃれな感じの「クールな1K」。畳からこげ茶色のフローリング、部屋の壁・天井は白く再塗装、浴室には白とグレーのタイルを市松模様に張り、浴槽は撤去してシャワーとトイレのみにするなどが採用され、塗装やタイル張りは学生が主にした。
 「リフォームに興味を持ったのは、困っているマイナスの状態からプラスに転じる行為だから。実習があったことで、学生のやる気も上がった。機会をくれたビルのオーナーのためにも、今月半ば予定の改装完了まで協力したい」と古川さん。
 実習と、平面図のトレース、予算内でデザインするプランニング授業などの座学も含めて「初学者を対象としたリフォームの授業計画とその評価」としてまとめた。
 部屋の賃貸料は月額2万6000円(共益費別)。部屋のイメージはhttp://www.gyouretsu‐sumika.comで確認できる。問い合わせはエスト092・724・8338。
 ◇志賀島にタワー--デザイン学科・大江さん
 芸術学部デザイン学科4年の大江康文さん(23)=東区=は、志賀島に“鳥居型”の「アジア・グローバル・タワー」を設置する計画をテーマにした。
 金印が出土するなど歴史的に重要で、都市と自然が調和する風景が望める志賀島を「日本四景」にと提唱する指導教官、網本義弘教授(64)の考えから発想、タワーは高さ130メートル、現在、展望台がある場所を想定した。眺望スロープやプラネタリウム、漂流物博物館、国際会議場も加え、アジアへの文化発信センターと位置づけた。
 「日本のシンボル、鳥居をモチーフに、アジアへのゲート(門)を意識してデザインした」と大江さん。タワー完成時に望める風景の撮影に協力した福岡観光コンベンションビューローの林田範雄専務理事は「福岡の入り口に、こんなランドマークがあったら面白い。観光誘致という点でも、若い人たちのユニークな発想に期待したい」と話していた。
〔福岡都市圏版〕

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