アーケード改修工事遅れ 資材不足、予想外の腐食 熊本市・下通商店街 5月末に完成ずれ込む

3月23日7時7分配信 西日本新聞

 熊本市中心部の下通商店街のアーケード改修工事完了が、当初予定の3月末を越え、商店街への引き渡しが5月末にずれ込む見通しになった。北京五輪などで鉄骨が不足し工事が一時中断した上、アーケードの支柱の腐食が予想以上に進んでいたのが原因だ。現在は屋根の取り付けや歩道のタイル張りが行われており、商店主達は「早く完成して欲しい」と工事の行方を見守っている。

 アーケードが改修される工事区間は同市下通1丁目から新市街にかけた二、三、四番町で延長360メートル。老朽化した屋根を撤去し、照明に消費電力が少ない発光ダイオード(LED)を使用するなど「環境配慮型」の商店街を目指そうと、商店主らでつくる「下通繁栄会」が昨年9月25日に着工した。

 だが、北京五輪の影響で鋼材の需要が増加。鉄骨の納入が遅れたため、屋根を撤去した10月中旬から約1カ月間、工事がストップした。

 さらに、着工後の調査で柱の腐食が予想以上に進んでいたことが判明。江戸時代初期まで、白川が同商店街近くを流れており、現在も残る地下水脈が「腐食を最大で5倍は早めた」(同繁栄会)という。このため、予定以上に柱のサビ取りや補強工事も必要になり、さらに完成が遅れる事態になった。

 約9億5400万円を見込んでいた事業費も最終的に数千万円は膨らむ見通し。完成後は微粒子の霧を発生させて体感気温を下げる自動霧発生装置や太陽光パネルを備えた最新型のアーケードが誕生。パネルでの発電で照明費などを補う。

 下通繁栄会の高柳隆大アーケード改修委員会委員長は「完成が遅れてご迷惑をかけるが、長く快適に使えるアーケードになる。事業費の高騰分は加盟店に理解を求めていきたい」と話している。

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