走り出せ“自転車の街”へ 県内各市、中心地に専用道計画

自転車が利用しやすい道路環境の整備を進める自治体が県内で増えている。環境に負荷が大きい自動車に比べ自転車は排ガスを出さない。ペダルをこぐのは少し大変だが、良い運動ともいえる。広い駐車場がないためにマイカー族の足が遠のいた商店街に、ママチャリ族が戻ってくるかもしれない。中心街の活性化、エコと健康維持-自転車の街づくりには“一石三鳥”の期待がこもる。

 富士市蓼原町の潤井川大橋。片側2車線道路の両側の歩道には、タイルの色で区別された幅約2メートルの自転車専用の通行帯がある。日中は、買い物に行く主婦や登下校の高校生らが自転車で行き交う。

 富士市は2010年度に「自転車ネットワーク整備計画」を策定。安全に走ることができる道路を吉原商店街や富士本町商店街など市内の要所に張り巡らせる事業に乗り出す。現在は潤井川大橋など一部にしかない自転車専用の通行帯や、自転車と歩行者が十分にゆとりを持って通行できる歩道などをつなげて整備する方針だ。

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 一世帯当たりの自動車保有台数は1・6台と全国の自治体でも上位の富士市。幹線道路は渋滞が目立つ。高齢ドライバーが起こす交通事故も1997年から9年間で2・7倍に増えた。また、大規模駐車場を備えた郊外のショッピングセンターや量販店がにぎわうのに対して、旧来の商店街はシャッター街化し、中心商業地の魅力は低下の一途だ。

 市はマイカーなしでも住宅地と商店街を容易に往来できる環境を整備することで、車の利用を抑えるとともに、旧来の商業地区の活性化を図る。車の代替手段として、バスなどの公共交通とともに自転車に着目した。

 整備計画の有効性を検証するため、まずは14年度までに潤井川大橋を含む市道約2・5キロに自転車が安全に走れるスペースを設ける。その後に両端を延長し、17年度までに吉原商店街-富士本町商店街間の約4・5キロを結ぶ計画。放置自転車が増えないよう、マナー向上のための施策も今後、検討する。

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 静岡市や沼津市も自転車が安全に走れる環境づくりに熱心だ。両市ではそれぞれ、08年1月にJR清水駅と沼津駅の周辺道路が国土交通省の自転車通行環境整備モデル地区に選ばれ、ともに09年度中に整備を終える予定。浜松市は、市役所北側で主に登下校の高校生の利用を想定した自転車走行空間を整備する方針だ。 (富士通信部・林啓太)

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