35度を超える猛暑日となった20日、打ち水で街を涼しくする「打ち水大作戦」が市内で始まった。初日は中村区の名古屋駅前であり、200人が参加。浴衣や法被姿で歩道や広場に水をまき、涼しいひとときを通行人とともに体感した。
駅前は、地域の企業などでつくる「名古屋駅地区街づくり協議会」の主催で2年目。使った水は6カ所で1000リットルに及び、期限切れとなったオフィスビルの備蓄飲料水や、トイレに再利用している雨水、プールに使った水などの「2次利用水」をフル活用した。
6カ所のうち、ミッドランドスクエア商業棟前では、参加者が歩道沿いにずらりと並び、和太鼓の演奏に合わせて、手おけやたらいの水を一斉にまいた。
花こう岩のタイルを敷き詰めた地面の温度は、53・3度から打ち水後は43・8度と9・5度下がった。照りつける日差しの中、歩道はみるみる乾いていったが、浴衣で参加した名古屋モード学園2年、服部友里奈さん(19)は「涼しくなった感じがする。いい体験ができました」と笑顔だった。
参加者は昨年から2倍に増え、協議会会長の神尾隆・東和不動産相談役は「環境への関心が高まっている。こうした取り組みが街の盛り上がりにつながれば」と期待を込めた。